防火管理者とは?甲種と乙種の違い・仕事内容・資格取得のメリットを紹介

防火管理者とは?甲種と乙種の違い・仕事内容・資格取得のメリットを紹介 仕事とキャリアのヒント

ビルや商業施設では、多くの人が安心して過ごせる環境づくりが欠かせません。
安全を支える重要な役割を担うのが、防火対策の専門資格である「防火管理者」です。

火災を未然に防ぎ、緊急時に迅速な対応ができる人材として、多くの企業から注目されています。
資格を取得することで業務の幅が広がり、キャリアアップのチャンスも期待できるでしょう。

この記事では、防火管理者の概要や甲種・乙種の違い、仕事内容、資格取得のメリット、キャリアパスをわかりやすく解説します。
ビルメンテナンス業界でステップアップを目指す方は、ぜひ参考にしてください。

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防火管理者とは

防火管理者とは、消防法に基づき、防火計画の作成や防火業務全体を統括する責任者を指します。一定規模以上のビルや事業所では、火災による被害を防止するため、防火管理者の選任が義務化されています。

消防計画の立案、避難訓練の実施、設備点検や火気の管理など幅広い役割を担い、利用者の安全を守る重要なポジションです。
専門知識と責任が求められるため、企業からの需要も高い資格といえます。

 

甲種と乙種の違い

防火管理者の資格は「甲種防火管理者」と「乙種防火管理者」の2種類に分かれ、対応できる建物の規模や用途が異なります。
甲種は原則としてすべての防火対象物で選任可能なのに対し、乙種は用途・収容人数・延床面積など一定の条件を満たす比較的小規模な施設に限定されます。
甲種は2日間、乙種は1日の講習で取得できる点も特徴です。

甲種と乙種の違いは、以下のとおりです。

項目 甲種防火管理者 乙種防火管理者
対応施設 用途・規模を問わず広範囲 一定の用途・規模に限定
講習日数 2日間 1日間
主な対象 特定・非特定用途、危険物施設など 収容人数や延床面積が一定以下の施設の用途・規模に限定
選任範囲 制限なし 一部の施設に限られる

建物の用途や収容人数、延べ面積で必要な資格は異なるため、自分の業務内容や職場環境に合った資格を選ぶことが大切です。

参照元:東京消防庁|防火管理者が必要な防火対象物と資格

 

防火管理者の仕事内容

防火管理者は、火災の発生を防ぎ、万一の被害を最小化するために、組織の防火体制を設計し運用する責任者です。
建物利用者と従業員の安全を守る実務を統括し、法令順守と現場オペレーションの質を引き上げます。

防火管理者の主な業務は、以下のとおりです。

  • 消防計画の作成・届出を主導
  • 消火・通報・避難訓練を実施
  • 消防用設備の点検・整備管理
  • 火気使用を監督しリスクを低減
  • 避難経路・防火設備の維持管理
  • 収容人員の把握と運用反映

成果が人命と財産の保全に直結し、現場からの信頼と評価を得られる重要な役割です。
社会全体の安全意識を高めるうえでも欠かせない存在といえるでしょう。

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ビルメンテナンス業界で働く上で防火管理者を取得するメリット

ビルメンテナンス業界で防火管理者を取得するメリットは大きく、需要の高さから資格保有者の価値も上がっています。
一定規模以上の施設では法令により防火管理者の選任が義務化され、実務に直結する資格として多くの現場で重宝されています。

防火管理者を取得する主なメリットは、以下の3つです。

  1. 一定規模以上の施設で選任が必要になる
  2. 資格保有者が比較的少なく専門性が高い
  3. 防火管理業務による安定した受注が見込める

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

メリット①:一定規模以上のビル・施設では選任が必要になる

防火管理者を取得するメリットは、一定規模以上のビルや施設で担当できる業務の幅が広がる点です。
消防法や火災予防条例では、特定の施設に防火管理者の選任が義務づけられています。

対象となる主な建物は、以下のとおりです。

  • 社会福祉施設(収容人員10人以上)
  • 劇場・飲食店・ホテル・病院(30人以上)
  • 共同住宅・学校・工場・倉庫・事務所(50人以上)
  • 屋内駐車場(50台以上)

利用者が多い建物ほど火災リスクが高く、安全管理の重要性も増します。
資格を取得すれば、こうした施設の管理業務を担えるようになり、担当できる物件の幅も広がります。
結果として、ビルメンテナンス業界で活躍の機会を広げられる点が魅力です。

参照元:東京消防庁|防火管理者が必要な防火対象物と資格

 

メリット②:防火管理者の資格取得者は比較的少ない傾向にある

防火管理者の資格は、ビルメンテナンス業界において取得者が限られており、希少性の高い人材として評価されやすい点がメリットです。
公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会の「ビルメンテナンス情報年鑑2023」によると、常勤従業員の資格保有数は、「建築物環境衛生管理技術者」が全体平均18.6人で最多、次いで「電気主任技術者」が13.7人、「ビルクリーニング技能士1級」が11.3人という結果でした。

全体の資格データに防火管理者が含まれていない点から、取得者数が比較的少ない傾向が読み取れます。
資格者が限られることで、採用や配置転換の場面で優位に立ちやすく、キャリア形成においても強みを発揮しやすい資格です。

参照元:公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会|ビルメンテナンス情報年鑑2023

 

メリット③:防火管理業務で一定の受注数がある

防火管理者の資格は、ビルメンテナンス業界で一定の需要がある点が特徴です。
資格を取得することで、受注できる業務の幅が広がり、現場で活躍できる機会も増えます。

公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会の「ビルメンテナンス情報年鑑2025」によると、防火管理業務を受注している事業所の割合は全体の29.1%でした。

一般清掃(94.6%)や貯水槽清掃(82.0%)と比べると多くはないものの、設備管理(68.4%)や警備(51.0%)に次ぐニーズがある分野といえます。
一定の受注数がある業務に対応できる人材は、配置や案件獲得の面で評価されやすく、市場価値を上げる要素となります。

参照元:公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会|ビルメンテナンス情報年鑑2025

 

防火管理者のキャリアパス

防火管理者の資格は、専門性を深めて昇進を目指すだけでなく、転職や独立など幅広いキャリアを築ける点が魅力です。

主なキャリアパスは、次の3つに分けられます。

  1. 専門性を高めて現職で昇進
  2. 他業界・他職種に転職
  3. 独立して防災コンサルタントを目指す

ここからは、それぞれのキャリアパスについて詳しく解説します。

 

キャリアパス①:専門性を高めて現職で昇進する

防火管理者のキャリアパスで最初に挙げられるのは、専門性を高めて現職で昇進を目指す道です。
資格を活かして知識やスキルを広げれば、重要な業務を任されるチャンスが増え、キャリアアップにつながります。

さらに、消防設備士や危険物取扱者、建築物環境衛生管理技術者などの資格をあわせて取得すれば、担当できる仕事の幅が広がり、昇進や収入アップも目指しやすくなります。

キャリアアップを目指す方や、関連する資格について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事】建築物環境衛生管理技術者とは?資格取得のメリットや主な就職先を紹介
【関連記事】ビルメンに消防設備士は不要?需要の高さや資格を活かせる求人例を紹介

 

キャリアパス②:他業界・他職種に転職する

防火管理者のキャリアとして、他業界・他職種への転職を目指す道もあります。
防火管理者の資格は、商業施設や医療機関、工場、物流倉庫、ホテルなど、幅広い業界で活用が可能です。

建物の防火体制を整える役割は多くの職場で必要とされており、資格を持つ人材は転職市場で評価されやすくなります。
自分が希望する働き方や条件に合った業界を選びやすい点も魅力です。
専門性を強みに、新たなフィールドで活躍するチャンスが広がります。

 

キャリアパス③:独立して防災コンサルタントを目指す

防火管理者は、防災コンサルタントとして独立を目指す道もあります。
防災コンサルタントは、建物の防災体制を診断し、消防計画の立案や避難訓練の実施、防災教育の支援などを行う専門職です。

消防署との打ち合わせや法令遵守のサポートなど、専門性を活かした幅広い業務に携われる点が特徴です。実務経験を積むことで、企業や自治体から信頼されるパートナーとして活躍でき、独立という選択肢も視野に入ります。

 

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まとめ:防火管理者の資格を取得して市場価値を高めよう

防火管理者の資格は、ビルや商業施設など幅広い建物で求められる重要な資格です。
転職やキャリアアップのチャンスを広げる強みとなり、将来的なキャリア設計にも役立ちます。

さらに、消防設備士や危険物取扱者などの資格を組み合わせれば、専門性を高めながら活躍の場を広げることが可能です。
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