ビルメンはやめとけといわれるのはなぜ?業界の実態や目指す価値を解説

ビルメンテナンス業界は、「やめとけ」と言われる厳しい声もありますが、実際には安定した需要があり、将来性を秘めた仕事です。
ビルの清掃・設備・保守管理を担うビルメンは、快適な建物環境を支える大切な役割を担っています。
一方で、人材不足や賃金の課題など、ネガティブな側面があるのも事実です。
この記事では、ビルメンテナンス業界が「やめとけ」と言われる理由と、目指す価値について解説します。
将来の選択肢としてビルメンテナンス業界への就職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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ビルメンはやめとけといわれる業界の実態
ビルメンテナンス業界が「やめとけ」と言われる主な理由は、以下の5つです。
- 人材が不足している
- 20代・30代の若手が少ない
- 賃金が平均より低い傾向
- 専門スキル人材の確保が難しい
- 賃金上昇による経営の圧迫
これらの課題を把握した上で、今後の前向きな働き方や将来の可能性について解説します。
実態①:人材が不足している
ビルメンテナンス業界では、深刻な人材不足が続いています。
「ビルメンテナンス情報年鑑2025」によると、現場従業員の確保が難しいと感じている企業は9割近くにのぼり、若手不足や現場管理者の育成が課題となっています。
人員が不足しているため、ベテランから若手への技術継承や、社内でのスキルアップも計画的に進めづらい状況です。
一方で、採用のハードルが下がったことで、未経験から新たにチャレンジできるチャンスが広がっているのも特徴といえます。
引用元:公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 | ビルメンテナンス情報年鑑2025年第55回実態調査報告書
実態②:20代・30代の少なさから若返りが図れずにいる
ビルメンテナンス業界では、若年層の定着が課題になっています。
業務内容に対する賃金の低さや、キャリアアップの道筋を立てにくい点が、若返りが図れずにいる主な理由です。
ビルメン求人ジョブを運営している株式会社ジェクティの調査によると、設備員の平均年齢は58.4歳で、若手人材の少なさが数値として表れています。
また、「ビルメンテナンス情報年鑑2025」によると、業界全体の約7割が「若返りが図りにくい」と感じており、今後は人材の高齢化がより深刻な問題になると見られています。
一方で、若手人材が貴重とされる分、丁寧に育成してもらえる機会が多く、職場によっては大切に扱われやすい傾向です。
また、経験を問わず入社できる企業もあるため、未経験から安定した仕事を目指したい方にとっては、チャンスといえるでしょう。
引用元:公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 | ビルメンテナンス情報年鑑2025年第55回実態調査報告書
実態③:賃金が平均より低い傾向にある
厚生労働省の情報サイト「job tag」によると、ビルメンテナンス業界の平均年収は458万円とされています。
国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」による民間企業全体の平均年収460万円のため、ビルメンテナンス業界の年収は平均よりやや低い傾向です。
また、「job tag」に掲載されているビル施設管理士の求人賃金は、月給およそ23.6万円、年収換算で約300万円となるケースが多く、決して高い水準とはいえないのが現状です。
そのため、ビルメンテナンス業界では、給与面に物足りなさを感じる方も少なくありません。
しかし、国家資格を取得したり、上位ポジションへキャリアアップしたりすることで、収入が大幅にアップする可能性があります。
スキルや資格の有無、経験年数によって収入に差が出やすいことは、ビルメンテナンス業界ならではの特徴といえるでしょう。
ビル管理士の平均年収については、以下の記事をあわせてご覧ください。
【関連記事】ビル管理士の平均年収は?年収を上げる方法や資格を取得するべき理由を解説
引用元:
・厚生労働省情報サイトjob tag | ビル施設管理
・国税庁 | 令和5年分民間給与実態統計調査
実態④:専門スキルを持つ人材の確保が難しくなっている
ビルメンテナンス業界では、専門スキルを持つ人材の確保と育成が深刻な課題となっています。
ベテラン世代の高齢化が進む一方で、若手の定着率は低く、現場で求められる知識や技術の継承が困難になりつつあります。
現場を維持するためには、賃金アップも視野に入れながら、即戦力となる専門スキルを持つ人材の確保に経営側も本腰を入れざるを得ません。
安定した運営やサービス品質の維持において、専門人材の存在は今後さらに重要性を増すでしょう。
実態⑤:賃金上昇により経営が圧迫されている
ビルメンテナンス業界では、近年の賃金上昇が企業経営に影響を与えています。
「ビルメンテナンス情報年鑑2025」によると、「賃金上昇が経営を圧迫している」と回答した企業は全体の66.1%です。
清掃業務に対する要求水準も年々高まっており、掃除が得意な人や服装にとらわれず働ける環境から、専門的なスキルや資格を持つ人材が求められるようになっています。
たとえば、ビルクリーニング技能士などの資格を持ち、一定の清掃品質を維持できる人材の需要が増加中です。
有資格者や経験者への高い賃金が人件費を押し上げ、収益を圧迫する要因となっています。
このような人手不足や賃金上昇の課題に対応するため、近年ではお掃除ロボットを導入する企業も多くなっています。
また、清掃機器も昔に比べて軽く、使いやすいように改良が進められており、人が足りない分を技術への投資で補う動きが見られます。
これは、従来のスタッフの力に頼り切る体制から脱却し、効率化を図ろうとする業界の変化を表しているといえるでしょう。今後は、従業員の能力や業務内容に応じた適切な賃金設定と、収益性・持続的な運営の両立が課題となります。
引用元:公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 | ビルメンテナンス情報年鑑2025年 第55回実態調査報告書
ビルメンを目指す価値
ビルメンテナンス業界は「やめとけ」と言われがちですが、目指す価値も数多く存在します。
特に以下の3つのポイントから、ビルメンを目指す価値について見直す動きが増えています。
- 業界成長率が上昇傾向にある
- 定年後も働ける環境が整っている
- 病院やホテルなど安定した勤務先がある
ビルメンテナンス業界の魅力や安定性、将来性について、具体的に紹介するので参考にしてください。
価値①:業界成長率が上昇傾向にある
ビルメンテナンス業界は近年、成長率が徐々に上昇傾向を強めています。
「ビルメンテナンス情報年鑑2025」によると、2023年度は前年度比で104.1%の売上成長を達成し、市場全体の活性化が進んでいます。
コロナ禍による一時的な落ち込みからも順調に回復しており、安定した需要であることが明らかです。
こうした状況から業界全体の市場価値は確実に高まっており、今後もさらなる拡大や発展が期待されます。
多くの業種と比べても将来性が高く、キャリア形成や安定した就業先を求める方にとって有望な分野といえるでしょう。
引用元:公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 | ビルメンテナンス情報年鑑2025年 第55回実態調査報告書
価値②:定年後も働ける
ビルメンテナンスの仕事は、年齢に関係なく長く続けられる点が魅力です。
定年退職後も再雇用や契約社員として働けるケースが多く、シニア世代にも人気があります。
体力よりも経験や知識が重視される職種のため、技術を磨くほど活躍の場が広がります。
将来に備えて安定した職を目指す方に、ビルメンテナンスは価値のある選択だといえるでしょう。
価値③:病院やホテルなどが勤務先のため安定的に働ける
ビルメンテナンスは、病院、ホテル、商業施設など、日常生活や経済活動に欠かせない建物が勤務先になります。
こうした施設は常に稼働しており、景気変動の影響を受けにくいのが特徴です。
また、設備管理の需要が継続的にあるため、雇用の安定性も高い傾向にあります。
安心して長く働きたい方にとって、ビルメンテナンスは魅力的な職種といえるでしょう。
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ビルメンはやめとけ?現場で働く人のリアルな声
ビルメンテナンス業界における働き方や現場の実態を、実際に働く方へのアンケート結果をもとに解説します。
設備員として働く60代男性と、清掃員として働く50代女性の声をもとに、どのような働き方が可能か、意識すべき点は何か詳しく見ていきましょう。
設備員として働く60代男性
設備員として働く60代男性の声を紹介します。
勤務日数 | 週2〜 |
経験 | あり |
実務年数 | 3年以上 |
資格 | 第二種電気工事士 |
現在の就業状況 | スポット派遣 |
設備の仕事について思うこと | ・同じ現場で勤務する社員のサポートを自分たちの仕事だと考えている ・任された業務の範囲の中で、自発的な仕事を心がけている ・チームワークを重んじて行動している |
現役時代は設計の仕事に従事していましたが、第二種電気工事士の資格を活かしてビルメンテナンス業に再就職しました。
休みの希望が通りやすい職場を選んだため、ライフスタイルに合った働き方を実現できているとのことです。
なお、第二種電気工事士の資格難易度や合格率が知りたい方は、以下の記事をあわせて参考にしてください。
【関連記事】第二種電気工事士の難易度は?合格率や資格を活かせる主な職場を紹介
清掃員として働く50代女性
清掃員として働く50代女性の声を紹介します。
勤務日数 | 週3〜4日 |
勤務時間 | 3~4時間 |
経験 | あり |
実務年数 | 2~3年 |
現在の就業状況 | アルバイト |
清掃員の仕事について思うこと | ・接客販売経験のスキルが清掃にも役に立っている ・洋裁が好きで、細かい作業を黙々と進める点が清掃作業にも共通していると感じている ・短時間で成果が見えるところが良い |
現場ごとに気分を切り替えられる点や、成果がすぐ目でわかる点にやりがいを感じているようです。
また、シフトの自由度が高く、体を動かすことで健康維持にもつながっていると実感している様子がうかがえます。
※本記事でご紹介するスタッフの声は、『ビルメン求人ジョブ』登録者の方々との会話の中から得た内容を一部編集し、掲載しております。
まとめ:ビルメンはやめとけといわれる理由から適性を見極めよう
ビルメンテナンス業界は「やめとけ」とネガティブな意見が見られるものの、職場環境や働き方を選べば安定した生活や、やりがいを十分に得られます。
大切なのは「自分に合っているか」を見極めることです。
適性や希望に応じて、自分らしい働き方を見つけることが、長く安心して働くためのカギになります。
ビルメンテナンスは未経験からチャレンジしたい方や、プライベートとの両立を重視したい方にも、柔軟な選択肢が広がっている業界です。
なお、「ビルメン求人ジョブ」では、ビルメンテナンスに特化したさまざまな求人情報を掲載しています。
興味のある方は、ぜひ「求人を探す」ページをチェックしてみてください。
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