ビルメンテナンスの平均年収は?業種による給与の違いや収入アップ法を紹介

ビルメンテナンスの平均年収は?業種による給与の違いや収入アップ法を紹介 ビルメンテナンス

ビルメンテナンス業界の年収は、経験や企業規模、働く地域などによって異なります。
ポイントを押さえれば、未経験からでも収入アップが期待できる業界です。
年収を上げるためには、ビルメンテナンス業界の年収事情について理解しておく必要があります。

この記事では、ビルメンテナンス業界の年収事情を経験や業種、企業規模といったさまざまな角度から解説します。
年収アップに直結する資格や会社選びのコツも紹介するので、ビルメンテナンス業界で活躍を目指したい方はぜひ参考にしてください。

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ビルメンメンテナンスの平均年収

ビルメンテナンスの年収は、経験や企業規模、働く地域などによって変動します。

  • 全国平均
  • 経験の有無
  • 企業規模
  • 業種

ここでは、ビルメンテナンス業界の年収事情を4つの視点から解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

全国平均

ビルメンテナンス業界の全国平均年収は、300万円から500万円ほどが目安となります。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、令和6年におけるビル設備管理員の平均年収は458万円です。

ただし、平均年収はあくまで1つの目安として捉えることが重要です。
実際の給与は、個人の経験年数や保有資格、勤務する企業の規模などによって大きく変動します。

特に、東京などの都市部は地方に比べて給与水準が高い傾向にあります。
そのため、全国平均は参考程度に捉え、ご自身が働きたい地域の求人情報を確認しましょう。

引用元:厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」❘令和6年ビル施設管理

 

経験の有無

ビルメンテナンス業界では、実務経験の有無が年収を左右します。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、経験年数別の所定内給与額は以下のとおりです。

経験年数 所定内給与額
0年 24.36万円
1~4年 24.51万円
5~9年 26.37万円
10~14年 28.53万円
15年以上 31.55万円

未経験者の場合は、年収300万円前後からスタートし、経験に応じて給与が上がっていくケースも少なくありません。
また、経験者は即戦力として複雑な設備の管理やトラブル対応を任されるため、スキルが評価され給与に反映される場合もあるでしょう。

引用元:厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」❘令和6年ビル施設管理

 

企業規模

企業規模は、中小企業よりも大手企業のほうが年収は高くなる傾向にあります。
大手企業は大きな物件を管理するケースが多いのに加えて経営基盤が安定しているため、給与水準や福利厚生が充実している傾向です。

全国ビルメンテナンス協会の調査でも、月商規模が「1億円以上」の企業が最も高い賃金水準となっています。
高収入を目指す場合は、特定の親会社を持たない企業だけでなく、大手デベロッパーや電鉄会社などを親会社に持つ企業も視野に入れるとよいでしょう。

引用元:公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 | ビルメンテナンス情報年鑑2025年 第55回実態調査報告書

 

業種

ビルメンテナンスの仕事には、主に以下の業種があります。

  • 一般清掃
  • 設備管理
  • 警備

どの業種を選ぶかによって平均年収は異なります。
なかでも、給与水準が高いのは、設備管理です。

全国ビルメンテナンス協会の調査によると、各業種の平均月給は以下のとおりです。

業種 平均月給
設備管理 26.0万円
清掃 21.0万円
警備 21.0万円

設備管理は、電気や空調、給排水といったビルの重要箇所を担うため、専門的な知識や国家資格が求められます。
専門性の高さが、ほかの業種に比べて高い給与に結びついているのです。

引用元:公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 | ビルメンテナンス情報年鑑2025年 第55回実態調査報告書

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ビルメンテナンスで給与をアップする方法

ビルメンテナンスの給与は、働き方やキャリアプラン次第で引き上げられます。
ここでは、給与アップに直結する具体的な方法を下記で解説します。

  • 経験を積む
  • 資格を取得する
  • 宿直や夜勤のある現場で働く
  • ビル設備管理関係の仕事を選ぶ
  • 系列系の会社を選ぶ

未経験からでも実践できるものばかりなので、ぜひ参考にしてください。

 

経験を積む

ビルメンテナンス業界で収入を上げる方法の1つは、現場での経験を着実に積むことです。
ビルメンテナンス業界は年功序列の側面もあり、経験年数が長くなるほど任される業務の範囲が広がり、給与も上昇する傾向にあります。

経験を積むと役職に就ける場合もあるため、手当により年収アップが期待できます。
地道な努力が評価され、収入という形で返ってくる点がビルメンテナンスの魅力です。

 

資格を取得する

ビルメンテナンス業界で収入アップを目指す際は、資格の取得が欠かせません。
多くの会社では資格手当制度を設けており、取得により毎月の給与が数千円から数万円上がります。

ビルメンテナンス業界では、ビルメン4点セットと呼ばれる資格があるため、取得を検討するとよいでしょう。
ビルメン4点セットとは、ビルメンテナンス業務の基本となる4つの資格で、取得により対応できる業務の幅が広がります。
具体的には、以下の資格を指します。

  • 第二種電気工事士
  • ボイラー技士2級
  • 第三種冷凍機械責任者
  • 危険物取扱者乙種4類

ビルメン4点セットの資格について詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせて参考にしてください。

【関連記事】ビルメン4点セットとは?資格別難易度や取得するメリットを紹介

 

宿直や夜勤のある現場で働く

日勤だけでなく、宿直や夜勤がある現場で働くことも給与を増やす手段になるでしょう。
労働基準法により、深夜時間帯となる22時から翌5時までの労働には深夜手当、宿直勤務には1回あたり数千円の宿直手当が支給されます。

ビルメンテナンスでは24時間稼働している大型ビルやホテル、データセンターなどの求人も多い傾向です。
深夜手当や宿直手当が加わることで、日勤のみの働き方に比べて月々の収入は数万円、年収では数十万円の差が生じます。

 

ビル設備管理関係の仕事を選ぶ

ビルメンテナンスの職種の中で、特に高い収入を目指せるのが「設備管理」の仕事です。
清掃や警備といった他の職種に比べ、 設備管理は電気や空調、給排水など、建物の機能を維持するための専門知識と技術が求められます。
清掃や警備の仕事はアルバイトが多い傾向にありますが、設備管理員は覚えることが多いため、アルバイトの求人が少ない傾向にあります。

実際に、待遇の良い高収入求人の多くは設備管理です。
そのため、単発や短時間のアルバイトのような働き方が少なく、固定で働けることが多いため、安定した収入が見込める点が設備管理を目指すメリットです。
専門スキルを身につける努力は必要ですが、その分しっかり稼げるのが設備管理の魅力と言えるでしょう。

 

系列系の会社を選ぶ

就職・転職する際は、親会社を持つ「系列系」のビルメンテナンス会社を選ぶと高収入を狙いやすくなります。
系列系とは、大手デベロッパーや大手メーカーのグループ会社を指します。

しっかりした経営基盤があるので、安定して仕事を受注でき給与水準や福利厚生が手厚い傾向です。
また、親会社を持たない独立系の会社に比べて、平均年収で数十万円高くなります。
安定して年収を上げていきたい場合は、系列系の会社も選択するのも年収アップを目指す方法です。

 

高収入を目指せるビルメンテナンス求人の特徴

高収入を目指せるビルメンテナンス求人は、現場のリーダーや管理者、技術スペシャリストといったポジションが中心です。
点検作業だけでなく、建物全体の維持管理計画の立案やオーナーへの改善提案など、高度なマネジメント能力が求められるため、給与も高くなります。

また、求人の応募条件には「建築物環境衛生管理技術者(ビル管)」や「第三種電気主任技術者(電験三種)」といった難関資格が必須のケースがほとんどです。
現場経験を土台に、専門資格を取得してマネジメントスキルを磨くことで、年収600万円以上といった高待遇も可能となります。

建築物環境衛生管理技術者を取得するメリットについて知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。

【関連記事】建築物環境衛生管理技術者とは?資格取得のメリットや主な就職先を紹介

 

未経験でビルメンテナンス業界に挑戦した設備管理スタッフの声

ここでは、未経験からビルメンテナンス業界に挑戦した設備管理スタッフの声を紹介します。

勤務形態 週5日/交代勤務(宿直メイン)
希望給与 月給22万円以上+各種手当
未経験で応募したきっかけ ・前職で設備員と接し興味を持ったため
・資格取得も考えたが、まずは未経験可の求人で経験を積むことを優先した
未経験から設備管理に挑戦して感じたこと ・スキルアップには資格取得が重要だと実感した
・テナント対応で前職の接客スキルが役立っている

まずは現場で経験を積みながら自身の適性を見極めるのも1つの方法です。
実際に働いてみて「資格が重要」と感じたという声からも、年収を上げるためには実務経験との並行が有効だと分かります。

※本記事でご紹介するスタッフの声は、『ビルメン求人ジョブ』登録者の方々との会話の中から得た内容を一部編集し、掲載しております。 

 

ビルメンテナンスの年収は400万円ほどが平均水準

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、ビルメンテナンスの平均年収は400万円ほどが一般的です。
しかし、地域や実務経験、雇用形態、業種によっても異なり、300万円から500万円が水準といえます。
特に、ビルメンテナンス業界の雇用形態は、実際の稼働現場においてはアルバイトがメインで勤務しており、正社員の常駐が少ないため、結果的に「アルバイト」の比率が高くなります。そのため、全体の平均年収が下がる傾向にあります。

正社員の募集も少なくはないですが、アルバイト募集と比較するとその差は大きいため、求人を探す際は雇用形態に注目することが大切です。

高収入を目指す場合は、ビルメンテナンスの中でも専門性が高い「設備管理」の仕事がおすすめです。
また、系列系の会社を選ぶと、より良い待遇が期待できます。
現場で経験を積みながらさまざまな資格を取得することで、キャリアと収入のアップも期待できます。

ビルメン求人ジョブは、ビル管理に特化した求人情報を多数掲載している求人サイトです。
未経験や資格別といった条件検索機能もあるため、ビルメンテナンス業界で収入アップを目指したい方は、ビルメン求人ジョブの「求人を探す」ページをご覧ください。

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