ビルメンテナンスの仕事内容とは?主なキャリアパスや必要な資格を解説
ビルメンテナンスの仕事は、オフィスビルや商業施設など、日常的に利用する建物の快適さと安全を支える大切な役割を担っています。
業務範囲は多岐にわたり、専門的な知識や技術が求められます。
ビルメンテナンス業界で活躍を目指す際は、仕事内容について理解を深めたうえで必要な資格取得やキャリアパスを検討することが大切です。
この記事では、ビルメンテナンスの仕事内容を解説します。
主なキャリアパスも紹介するので、ビルメンテナンス業界でキャリアを築きたい方は参考にしてください。
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ビルメンテナンスの仕事内容
ビルメンテナンスの業務内容は幅広く、専門的な知識や技術が求められるものも少なくありません。
ここでは、ビルメンテナンスの具体的な仕事を5つに分けて解説します。
- 環境衛生管理業務
- 設備管理業務
- 警備・防災業務
- 管理サービス業務
- 建築物のエネルギー管理業務
どのような業務があるのか、詳しく見ていきましょう。
仕事内容①:環境衛生管理業務
環境衛生管理業務の目的は、ビル内の環境を清潔で衛生的に保ち、利用者が快適かつ健康的に過ごせる空間を提供することです。
主な仕事内容は以下になります。
日常清掃 | ・共用スペース・専用スペースの掃き掃除や拭き掃除 ・ゴミの回収 など |
定期/専門清掃 | ・床材・壁材に合わせたワックスがけ ・カーペットクリーニング ・窓ガラス ・外壁清掃 など |
衛生管理 | ・空気環境の測定や調整 ・貯水槽清掃 ・害虫駆除 など |
環境衛生管理業務では、ビルクリーニング技能士や建築物環境衛生管理技術者(ビル管)の資格が専門知識の証明となり、業務に活かせます。
仕事内容②:設備管理業務
設備管理業務はビル内のさまざまな設備が常に正常に機能し、安全に利用できるよう維持管理する仕事です。
設備管理業務の主な業務を紹介します。
対象設備 | ・電気設備(照明、コンセント) ・空調設備(エアコン、換気) ・給排水設備(トイレ、洗面所) ・消防設備(火災報知器、消火器) ・昇降機(エレベーター、エスカレーター) など |
点検・保守 | ・日常点検 ・定期保守 ・フィルター交換などのメンテナンス ・故障や異常の早期発見 |
不具合対応 | ・原因調査 ・専門業者の手配 ・工事立ち会い など |
設備管理業務には電気工事士やボイラー技士、危険物取扱者などの資格が役立ちます。
仕事内容③:警備・防災業務
警備・防災業務はビルの利用者や建物内の財産をさまざまな危険から守り、安心・安全な環境を提供することです。
具体的には、以下の仕事内容があります。
警備業務 | ・施設内の巡回 ・出入管理 ・防災センターでの監視カメラ映像チェック ・異常発生時の迅速な対応 など |
防災業務 | ・消防計画の作成サポート ・避難誘導訓練の実施 ・消防用設備(消火設備、警報装置など)の点検・維持管理 |
警備・防災業務を行うには、警備業法や消防法といった関連法規の知識が求められます。
仕事をするうえで持っておくのがおすすめの資格は、警備員指導教育責任者や防災センター要員、自衛消防技術認定などです。
仕事内容④:管理サービス業務
管理サービス業務は、ビル全体の運営を円滑にし、利用者やテナントの満足度向上に貢献します。
主な業務内容は、以下の通りです。
接客業務 | ・受付での案内 ・電話応対 ・来訪者対応 など |
事務作業 | ・ビルオーナーやテナントからの要望 ・クレーム対応 ・各種報告書や管理記録の作成・整理 など |
調整・手配業務 | ・小規模な修繕の手配 ・他業務部門(清掃・設備・警備)との連携・調整 など |
管理サービス業務を行う際は、コミュニケーション能力や問題解決能力、基本的なPCスキルが求められます。
仕事内容⑤:建築物のエネルギー管理業務
建築物におけるエネルギー管理業務は、省エネルギー化を推進することで、環境負荷の低減とコスト削減を目指します。
建築物のエネルギー管理業務の主な仕事内容は、以下のとおりです。
エネルギー使用状況の管理 | ・使用状況の監視・分析(電気、ガス、水道) ・無駄がないかを確認 |
省エネルギー化の推進 | ・空調・照明など設備運転の最適化 ・高効率機器への更新提案 ・運用改善などを通じてエネルギー効率の向上 ・「エコチューニング」(建物のエネルギー調整による無駄改善手法)の活用 |
建築物のエネルギー管理業務では、エネルギー管理士やエコチューニング技術者の資格が専門知識の証明となります。
地球環境保全やSDGsへの貢献にもつながる、現在の社会においてますます重要性の高まる仕事です。
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ビルメンテナンスの主なキャリアパス
ビルメンテナンス業界で経験を重ねると、多様なキャリアパスが開けてきます。
- 役職への昇進
- 本社の管理職
- ビルマネジメントへキャリアアップ
ここでは、主なキャリアパスと、それぞれの仕事の範囲や給与水準の変化などについて解説するので、参考にしてください。
役職への昇進
現場での実績を積み重ねると、主任や所長といった役職への昇進が期待できます。
ビルメンテナンスの仕事は、日々の実務を通じてスキルアップしていくことでその成果が評価され、より責任のある立場を任されるようになります。
役職に就くと担当する業務の範囲が広がり、部下の指導や現場全体の管理といったマネジメント業務も増えるでしょう。
基本給のアップや役職手当も期待できるため、一般的に年収が50万円〜100万円程度上がる傾向にあります。
ただし、企業の規模、地域、個人の経験や能力、保有資格によって変動することから目安としてとらえておきましょう。
昇進を目指す上では、「ビルメン三種の神器」と呼ばれる専門資格の取得も有利に働くため、キャリアアップの後押しが可能でしょう。
ビルメン三種の神器について知りたい方は、以下の記事をあわせて参考にしてください。
【関連記事】ビルメン三種の神器と呼ばれる資格とは?難易度や4点セットとの違いを解説
本社の管理職
現場での豊富な経験と専門知識を活かして、本社勤務の管理職としてキャリアアップする道もあります。
複数の物件の統括や会社全体の設備保全計画を立案・管理など、より広範な視点が求められます。
主な担当業務は、以下のとおりです。
- 事業戦略の策定
- 予算管理
- 協力会社との折衝
- 新規事業の立ち上げ(例:電気保安管理事業の事業責任者)など
本社の管理職は、経営に近い業務にも携わる可能性があります。
管理者は部下やチームを率いるリーダーシップや、関係各所との調整を行うコミュニケーション能力が必要です。
給与水準も一般的に向上し、年収600〜800万程度を目指せる可能性があり、大企業になると1,000万円を超える場合もあります。
ビルマネジメントへキャリアアップ
ビルマネジメントでは、清掃や設備管理といったビルメンテナンス業務に加え、主に以下の業務を行います。
- 中長期的な修繕計画の策定
- テナントの誘致や契約管理
- 賃料改定交渉
- 運営コストの最適化 など
ビルマネジメントの仕事の範囲は非常に広く、ビルオーナーに代わって資産価値の最大化を目指す役割です。
そのため、ビルメンテナンスの知識に加えて、不動産や法律、会計に関する知識も求められます。
給与水準も専門性と責任の大きさに応じて高くなる傾向にあり、経験や実績によっては年収600万円以上を目指せる可能性もあります。
建築物環境衛生管理技術者(ビル管)や認定ファシリティマネジャーのほか、不動産関連の資格などが役に立つでしょう。
実務経験を積みたい方はビルメン求人ジョブをチェック
ビルメンテナンス業界でキャリアアップを目指す際、資格取得が有利に働く場面が多くあります。
資格の中には、受験要件として一定の実務経験が求められるものも少なくありません。
ビルメンテナンスの分野で実務を積み重ね、専門性を高めていきたいとお考えの方には、ビルメン求人ジョブの活用がおすすめです。
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ビルメンテナンスの仕事内容は幅広いためキャリアパスが豊富
ビルメンテナンスの仕事は、業務範囲の広さからさまざまなキャリア形成が可能です。
環境衛生管理から始まり、設備管理や警備防災、さらには専門的なエネルギー管理に至るまで、高い専門知識や技術を深められます。
現場で経験を積み重ねて役職者を目指す道、本社で複数の物件を統括する管理職、あるいはビルの資産価値向上に貢献するビルマネジメントといったキャリアアップが考えられます。
各種資格の取得もキャリアアップに役に立つでしょう。
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